書名:根っこと翼
副書名:美智子さまという存在の輝き
著者:末盛千枝子(すえもり・ちえこ)
出版者:新潮社
出版年月:2022-01
ISBN:978-4-10-105072-2
美智子皇后の言葉と存在を、絵本編集者の目からたどる
美智子皇后の言葉、人柄、存在感をめぐる回想とエッセイである。著者は、絵本編集者、出版者として子どもの本にかかわり、のちに岩手県へ移住して「3.11絵本プロジェクトいわて」にも取り組んだ人物である。
本書の中心には、美智子皇后の講演「橋をかける」と、そこに示された子ども、本、言葉へのまなざしがある。自分の中だけにしまっておくのはあまりにもったいないと感じた著者が、美智子皇后から受けとめた言葉や記憶を、読者へ手渡そうとする本である。「橋をかける」は、1998年にインドのニューデリーで開かれた国際児童図書評議会(IBBY)の第26回世界大会で、ビデオテープによって上映された美智子皇后の基調講演である。このビデオの撮影を段取りし、テープをインドまで運んだのが、著者である。
本書は、数編のエッセイで構成され、美智子皇后の言葉、和歌を織り交ぜながら、人となり、感性、皇后であることへの思い、明仁天皇や愛娘の清子内親王との家族としての結びつきが描かれる。扉裏には次の言葉が記されている。「静かに行くものは 健やかに行く 健やかに行くものは 遠く行く」。美智子皇后の好きな言葉だという。2019年3月に新潮社から出版された単行本の文庫版である。
著者について(同書による)
末盛千枝子(すえもり・ちえこ)
1941(昭和16)年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒。至光社、G.C. PRESSで編集者として勤務。’86年『あさ One morning』でボローニャ国際児童図書展グランプリを受賞、ニューヨーク・タイムズ年間最優秀絵本にも選ばれた。’88年、すえもりブックスを立ち上げ独立。まど・みちおの詩を美智子さまが選・英訳された『どうぶつたち THE ANIMALS』や、美智子さまの講演録『橋をかける 子供時代の読書の思い出』などを手がける。2010(平成22)年から岩手県八幡平市に移住。’11年から10年間、被災地の子どもたちに絵本を届ける「311絵本プロジェクトいわて」の代表を務めた。