園部逸夫(著)『皇室法概論』

書名:皇室法概論

副書名:皇室制度の法理と運用

著者:園部逸夫(そのべ・いつお)

出版者:第一法規

出版年月:2002-04

ISBN:4-474-01685-8

国会議論や政府の解釈も踏まえ皇室制度を体系的に説明する

憲法、皇室典範を中心とする皇室に関する法制(皇室法)の解釈、運用の原理を体系的に解説した本である。憲法1章の諸研究を踏まえ、皇室典範を軸にまとめた内容で、従来の研究、制度、運用について、歴史的な諸研究、旧法制と現行制度との比較、戦後の帝国議会・国会での議論、政府の法解釈を重視したという。議論、法解釈が多く紹介され、資料集的な面もある。

第一部で総論、第二部で各論を論じる。「皇室法の個々の規範の基礎となる価値の内容」を、憲法1条に由来する「天皇の地位が象徴であることに由来する価値」と、憲法2条に由来する「天皇地位が世襲のものであることに由来する価値」とに分け、各論では、「象徴性」に関する制度、「世襲制」に関する制度で編を構成し、それぞれ概説の後、条文の解釈、運用を解説する。

著者は、行政法の専門家。大学教授、最高裁判事として、研究、実務の双方に携わった。2005年の皇室典範に関する有識者会議で座長代理、2024年の皇室制度に関する有識者ヒアリングでは座長を務めた。「本書は、皇室法に関する研究の第一歩に当たるものと考えている」と著者は記すが、皇室法の体系的な概説書として、もっとも信頼の置ける一書となっている。2016年に復刻版が刊行されている。

著者について(同書による)

園部逸夫(そのべ・いつお)

1929年生まれ、岐阜県出身

1954年 京都大学法学部卒業、法学博士、 京都大学助教授、東京地裁・東京高裁・前橋地裁(部総括) 判事、最高裁上席調査官、東京地裁(部総括)判事、筑波大 学教授、成蹊大学教授を経て、

1989年 最高裁判所判事(1999年3月まで)

1995年 皇室会議議員(1999年3月まで)

2001年 叙勲(勲一等瑞宝章)

現在 弁護士、立命館大学大学院客員教授、外務省参与

<主要著書>

行政手続の法理(有斐閣 1969年)、現代行政法の展望(日本評論社 1969年)、現代行政法体系全10巻(共編者、有斐閣 1983~85年)、裁判行政法講話(日本評論社 1988年)、オンブズマン法(弘文堂 1989年、新版(共著)1997年)、注解行政事件訴訟法(編著、有斐閣 1989年)、新行政法辞典(共編著、ぎようせい 1999年)、21世紀の司法界に告ぐ!(共著、ぎようせい 2000年)、『最高裁判所十年』(有斐閣 2001年)

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