薗部英一(編)『新天皇家の自画像』

書名:新天皇家の自画像

副書名:記者会見全記録

編者:薗部英一(そのべ・えいち)

出版者:文藝春秋(文春文庫)

出版年月:1989-03

ISBN:978-4-16-751101-2

明仁天皇が皇太子時代に描いた象徴像を見る

昭和から平成への代替わり期に、明仁天皇、美智子皇后、徳仁天皇らの記者会見記録をまとめた本である。明仁天皇が12歳だった1945年(昭和20年)12月から、代替わり直前の1988年夏までを収載する。明仁天皇、美智子皇后を中心に、徳仁天皇(浩宮)は1980年、秋篠宮(礼宮)は1985年、それぞれの成年式に際しての記者会見から登場する。

皇太子時代の明仁天皇は、1955年(昭和30年)から年1回、誕生日(12月23日)前に、宮内記者会員と会見するようになった。夫妻が夏を過ごす長野県・軽井沢での記者会見の初回は1962年で、その後定例化し、美智子皇后も加わるようになった。1972年からは、美智子皇后の誕生日に際した記者会見も見える。外国訪問に際してや、結婚の周年に際しての会見もある。話題は、活動、皇室の在り方、時事の問題、家族のことと幅広い。

明仁天皇は象徴天皇として初めて即位した天皇であり、戦後の憲法が定めた「象徴」の一つの形を、美智子皇后とともに提示した。平和への願い、社会との関わり、政治との距離、人との接し方など、明仁天皇が即位後に体現した天皇の在り方が、皇太子時代に形成され、その後も一貫していたことが読み取れる。現代の天皇、皇室を知り、考えるための基礎となる資料である。

編者について(同書による)

薗部英一(そのべ・えいいち)

昭和24(1949)年、東京生まれ。47年慶應義塾大学経済学部卒。同年、共同通信社入社。社会部に属し、59年から宮内記者会員として皇室問題を担当している。著書に「やさしき霰たち―新潟三区野坂昭如奮戦記」(けいせい出版)など。

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