書名:皇室制度を考える
著者:園部逸夫(そのべ・いつお)
出版者:中央公論新社
出版年月:2007-09
ISBN:978-4-12-003863-1
皇室制度を考えるための基本の仕組みと視点を提供
皇室制度についての予備知識のない人に、制度の基本的な仕組み、制度を考えるために必要となる視点や素材を提供する本である。章立ては、象徴天皇制度、皇位継承制度、皇族制度、皇室経済と諸制度の4つに分け、皇室に関する法制の広い範囲をカバーしている。
読者が皇室制度について考える際に、仕組みの理解、これまでの議論、考え方や視点が少しでも参考になればとの思いがあったといい、各テーマの論点などを箇条書きにまとめたコーナーが織り込まれている。例えば、「皇位継承制度のあり方についての諸見解」では、途中に線で囲ったコーナーがあり、(ア)男系男子による継承を維持すべきという考え方と、(イ)皇位継承資格を女系に拡大すべきという考え方のそれぞれの主張点が箇条書きに整理され、最後に(ウ)天皇陛下にお決めいただくべきという考え方も付け加えられている。
著者は大学教授、最高裁判事として法律にかかわり、最高裁判事時代に皇室会議の議員も務めた。2005年の皇室典範に関する有識者会議では座長代理となった。皇室制度への国民の関心が高まる中で、議論を分かりやすいものにしようとの思いが背景にあったという。著作にはほかに、その後の状況のアップデートも加えた新書版の入門書『皇室法入門』(2020年)、詳しい概説書として『皇室法概論』(2002年、2016年復刻)がある。
著者について(同書による)
園部逸夫(そのべ・いつお)
1929年生まれ。岐阜県出身。1954年、京都大学法学部卒業。法学博士。京都大学助教授、東京地裁・東京高裁・前橋地裁(部総括)判事、最高裁上席調査官、東京地裁(部総括)判事、筑波大学教授、成蹊大学教授を経て、1989年、最高裁判所判事(1999年3月まで)、1995年、皇室会議議員(1999年3月まで)、2001年、叙勲(勲一等瑞宝章)、2005年、「皇室典範に関する有識者会議」座長代理。現在、弁護士、立命館大学大学院客員教授、外務省参与。
主な著書に、『行政手続の法理』(有斐閣、1969年)、『現代行政法の展望』(日本評論社、1969年)、『現代行政法大系』全10巻(共編著、有斐閣、1983~85年)、『裁判行政法講話』(日本評論社、1988年)、『オンブズマン法』(弘文堂、1989年。新版〔共著〕、1997年)、『最高裁判所十年』(有斐閣、2001年)、『皇室法概論』(第一法規、2002年)がある。