書名:皇室典範を改正しなければ、宮家が無くなる
著者:市村真一(いちむら・しんいち)
出版者:藤原書店
出版年月:2012-09
ISBN:978-4-89434-873-8
宮家存続へ対策を提議し、立憲君主制の意義を論じる
宮家の存続を中心に、皇室典範改正の必要性と具体策を述べるとともに、その前提となる君主制について論述した本である。悠仁親王の存在があり、皇位継承の規定はおくとして、天皇を補佐する宮家がやがてはすべてなくなってしまうという危機感から、宮家存続への対策を提議する。
急ぐべき具体策として、内親王、女王が皇族でない男子と結婚した場合も、女性を当主とする宮家を継承・創設することを提案する。「旧皇族」の子孫の皇族復帰については、原則、手続き、現実の三面から検討を要すると指摘し、大正年間に親等が遠い皇族は皇室を離れると規定されていたことなどを挙げる。また、側室制度のない中で男系男子のみによる皇統の維持は楽観できず、対応が必要であるとする。養子や制度全体の見直しは、中長期の視点で慎重に取り組む課題と位置づける。
著者は2012年、同書の発刊前に、皇室制度に関する有識者ヒアリングで意見を述べた。その際の内容、やりとりも収録する。著者は、立憲君主制を維持する観点から皇室制度を見る。同書の後半では、立憲君主制による君主は、国家を象徴的に具現し、権力欲を制御し、外交の連続性を保ち、国民の心情と道徳を支えるなど、その意義を論じている。
著者について(同書による)
市村真一(いちむら・しんいち)
1925年京都市生まれ。京都大学名誉教授、大阪国際大学名誉教授、(財)国際東アジア研究センター名誉顧問、東アジア経済学会名誉顧問。専門は、計量経済学・経済発展論。
[学歴] 1949年京都大学経済学部卒。1953年 MIT Ph.D.
[職歴] 和歌山大学助教授(49-56)、大阪大学社会経済研究所教授(56-68)、京都大学東南アジア研究センター教授(68-88、所長69-79)、大阪国際大学副学長(88-95)、(財)国際東アジア研究センター所長 (95-2002)、同センター顧問(2002-05)、The Econometric Society Fellow(1962-)、東アジア経済学会会長(1992-98)、国連Committee for Development Planning委員(72-90)、(社)日本教育会会長(83-90)。