女性皇族本人の婚姻後の身分保持には大きな異論が少ない一方、配偶者・子の扱いと旧宮家子孫の養子案で各党派の意見が分かれています
政府の有識者会議報告は2022年に国会へ提出されました。立法府での議論が本格化したのは2024年からで、全体会議と個別意見聴取を通じて、各党・各会派の意見が整理されてきました。大きな争点は、女性皇族の配偶者・子の扱いと、旧宮家の子孫を皇族とする案です。
争点1 配偶者・子を皇族とするか
女性皇族本人が婚姻後も皇室に残ること自体には、大きな異論はあまりありません。意見が分かれているのは、配偶者や子にも皇族の身分を与えるかどうかです。
配偶者・子を皇族としない方向は、自民党、公明党などに見られます。その背景には、女系天皇につながる制度変更を避けたいという考え方があります。
これに対し、立憲民主党や日本維新の会などは、家族の中で皇族と一般国民が分かれることの不自然さや、戸籍・氏・家族関係、公的活動の担い方をどう制度化するかという課題を重く見ています。ここでは、家族として一体の生活を営む実態と、皇族と一般国民に身分が分かれる法的構成とを、どこまで無理なく成り立たせられるかが争点になります。
争点2 旧宮家の子孫を皇族とするか
こちらは、より大きく意見が割れています。
自民党、公明党、日本維新の会などは、皇族数の確保や安定的な皇位継承のために必要だとみています。ここでは、男系男子維持を具体的な制度としてどう支えるかが中心的な発想になっています。
立憲民主党や国民民主党などは、一般国民を皇族とすることの憲法上の課題を、慎重に検討すべきだとしています。共産党、れいわ新選組、社会民主党などは、第2案に否定的であり、一般国民を皇族とすることへの違和感や、憲法上の問題を指摘しています。ここでは、男系男子維持のためにどこまで特別な制度を認めるかが問われています。
なぜ割れるのか
表向きには皇族数確保策の議論ですが、その底には、男系男子維持をどこまで優先するのか、また、そのための制度化を、合憲性や国民の理解、家族の一体性との関係でどこまで認めるのかという対立があります。
資料案内
第1案『女性皇族の婚姻後の皇族の身分保持』に対する各党・各会派の意見の要点
