政府は「126代の天皇は例外なく男系継承」と言っています。民主党政権でも野田佳彦首相がその認識を答弁しています。その背景には皇統譜があると思われます。政府は皇統譜について「一般の戸籍に当たる」と説明しています。
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ここで、「男系」とは、父方のみをたどることによって天皇と血統がつながることとされています。一方、「女系」とは、「男系」以外の天皇との血のつながり、すなわち母方を通じてしか天皇とつながらない血のつながりを含んだ血統のつながりのことをいいます。今上陛下は第126代の天皇でいらっしゃいますが、これまで歴代の皇位は、例外なく男系で継承されてきました。
○稲田委員《稲田朋美》 (…)皇室典範第一条の皇統、そして憲法二条の世襲は、日本の有史以来、一つの例外もなく守られてきた伝統である男系維持を前提としていると解釈すべきだと思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。
○野田内閣総理大臣《野田佳彦》 古来、ずっと長くそういう形で続いてきたことの歴史的な重みというものをしっかり受けとめながら、一方で、皇室活動の安定性をどうするかという観点で、これは皇位継承の問題ではなくて、今、女性宮家の問題は有識者含めて議論をさせていただきますが、問題認識は私は同じでございます。
皇統譜は、天皇及び皇族の身分に関する事項(出生、結婚等)を登録するものであり(皇室典範(昭和22年法律第3号)第26条)、いわゆる一般の戸籍に当たる。天皇・皇后・太皇太后・皇太后の身分に関する事項を登録する大統譜と、その他の皇族の身分に関する事項を登録する皇族譜がある。
「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議「事務局における制度的、歴史的観点等からの調査・研究」(第11回配布資料2)
126代例外がないということは、神武天皇の例が史実として検証できているということか。
政府が、神武天皇という人物について史実として実在したと説明している記録は(サイト主が知る限り)見当たりません。したがって、神武天皇から次の天皇への男系の継承があったことが史実として実証されているとの言及も見当たりません
(参照)
○参考人(直木孝次郎君)《古代史学者》 政府が国会に提出しております国民の祝日に関する法律案の中の、建国記念日として二月十一日を国民の祝日とするという条項につきまして、私の専攻としております古代史学の立場から意見を申し述べます。(…)二月十一日というのは、言うまでもなく元の紀元節の日でありまして、明治七年以来、終戦の年まで神武天皇が柵原《ママ、橿原》で即位をしたという日となっておりました。しかし、今日、神武天皇の存在が疑わしい、まして二月十一日の即位ということが事実ではないということは学界の常識である、というよりも、もはや国民の常識と言っていいと思います。いまさら神武天皇即位の史実性、事実であるかどうかという問題について述べるのもどうかと思われますが、(…)」
神武天皇の存在が疑わしいとすると、例外なく男系継承と言い切れないのではないか
政府や学者などの言う「歴代の皇位は例外なく男系で継承されてきた」は、歴史的に実証された事実を述べたものではなく、皇室の公式の系譜(皇統譜)にもとづく制度的・行政的な整理を述べていると理解することになると思われます。
