皇族女子(こうぞくじょし)

生まれながら皇族の女性をいいます

 「皇族女子」は、生まれながら皇族の女性のことを指すときによく使われます。現在、皇室メンバーの女性には、皇室で生まれた女性と、皇室に嫁いできた女性がいます。これらの女性を総称して「女性皇族」といいますが、特に、皇室で生まれた女性、生まれながらの皇族の女性のことを「皇族女子」といって区別することがあります。天皇の親族として生まれた女性(皇族女子)と、結婚によって天皇の親戚になった女性(他の女性皇族)とは、立場が少し違うというわけです。

皇族女子は天皇の親族なのか

 皇族女子は、生まれながらの天皇の親族です。なので、生まれた時から、内親王(ないしんのう、天皇の子か孫)であるか、女王(じょおう、天皇のひ孫以下の子孫)であるかのいずれかです。(現行典範の規定による。明治の皇室典範では、内親王、女王の範囲は別でした)

▼昭和二十二年法律第三号 皇室典範

第六条 嫡出の皇子及び嫡男系嫡出の皇孫は、男を親王、女を内親王とし、三世以下の嫡男系嫡出の子孫は、男を王、女を女王とする。

▼宮内庁書陵部編纂『皇室制度史料 皇族一』(吉川弘文館 昭和58 年)p.274

明治の皇室典範に於いては、旧制とは逆に皇族の妃はすべて皇族の列に入る一方、皇族女子の臣家に嫁した者は皇族の列を離れると定められ、昭和二十二年制定の皇室典範にも此の規定が引継がれた。なお旧典範には、皇族女子は臣籍に降嫁した後も、特旨に依り内親王・女王の称を保有させることができるとしているが、新典範には此の規定は存しない。……

▼皇室典範第12 条の婚姻に伴う皇籍離脱についての国会答弁

 平成29 年6月7日 参・天皇の退位等に関する皇室典範特例法案特別委 菅官房長官答弁

 菅国務大臣 ……十二条の婚姻による皇籍離脱でありますけれども、皇族女子が天皇及び皇族以外の者と婚姻した場合については、歴史的には婚姻後も皇族の身分を離れることはなかったが、旧皇室典範では、婚姻した女子の身分は夫の身分に従うとの考え方から、第四十四条において「皇族女子ノ臣籍ニ嫁シタル者ハ皇族ノ列ニ在ラス」と定められました。現行の皇室典範第十二条は、皇族女子に皇位継承資格を認めていないこと等を踏まえ、旧皇室典範と同様に、婚姻に伴う皇籍離脱の制度を採用したものと考えております。……

 → 皇室の女子の結婚について歴史的慣行から明治皇室典範の規定を述べる文脈の中で、結婚で皇籍を離れる主体としての「皇族女子」が内親王、女王と結び付けられて語られ、現行典範の構造(内親王・女王が典型)でも整合する。

皇族女子にはどんな人がいるか

 現在の皇室にいる皇族女子は、愛子(あいこ)内親王、佳子(かこ)内親王、彬子(あきこ)女王、瑶子(ようこ)女王、承子(つぐこ)女王の5人です。愛子内親王は徳仁天皇(現天皇)の娘、佳子内親王は明仁天皇(上皇)の孫、彬子女王、瑶子女王、承子女王は大正天皇のひ孫です。昭和天皇の孫の世代ではかつて、黒田清子さん(紀宮)がいました。

皇族女子は全員未婚か

 現在の皇室にいる皇族女子は、全員未婚です。というのは、皇族女子は結婚すると皇室を離れることになっているからです。

▼昭和二十二年法律第三号 皇室典範

第十二条 皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。

皇女とは違うのか

 「皇女」(こうじょ/おうじょ)は、原則的に「天皇の娘」を指します。皇族女子は、父が天皇でなくても「皇族女子」と呼ばれます。

▼こう‐じょ〔クワウヂヨ〕【皇女】天皇の娘。内親王。⇔皇子。