水谷千秋(著)『女帝と譲位の古代史』

書誌情報
  • 書名:『女帝と譲位の古代史』
  • 著者:水谷千秋
  • 出版社:文藝春秋(文春新書354)
  • 発行:平成15年12月20日 第1刷発行(=2003-12-20)
  • ISBN:4-16-660354-X/978-4-16-660354-1

女帝と譲位を通じて天皇制の特質をさぐる

 近代以前、女帝と譲位は日本の天皇の重要な特色であり、それは中国の歴代皇帝と比較してみても明らかで、女帝と譲位とは不可分のものであると著者はいう。そこに着目し、古代天皇制の特質をさぐっていく。天皇以前の卑弥呼と壱与、古墳時代の飯豊女王(いいとよのひめみこ)に始まり、推古、皇極(斉明)、持統、元明、元正、孝謙(称徳)の各女帝の時代状況を眺める。そこでは皇位継承を巡る複雑な政治情勢の中で譲位によって次代の天皇が定まるが、その背景では皇女と貴族の子女の軽重、貴族間の勢力の優劣などが変転していく。女帝と譲位が皇統の安定のために機能する様子が描かれる。

著者について(同書による)

 水谷千秋(みずたに・ちあき)1962年、滋賀県大津市生まれ。龍谷大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得(国史学)。博士(文学)。現在、龍谷大学・堺女子短期大学・京都西山高等学校非常勤講師。日本古代史、日本文化史専攻。著書に『継体天皇と古代の王権』(和泉書院)『謎の大王 継体天皇』(文春新書)『継体大王とその時代』(共著、和泉書院)がある。