三谷太一郎(著)『日本の近代とは何であったか』

書名:日本の近代とは何であったか
著者:三谷太一郎(みたに・たいちろう)
出版者:岩波書店(岩波新書 1650)
出版年月:2017-03
ISBN:978-4-00-431650-3

日本の近代と天皇制を考える手がかり

日本の近代について、ウォルター・バジョットの近代概念――「議論による統治」「貿易」「植民地化」――を手がかりに、その特質を「問題史的考察」によって捉えようとする本である。1~3章では、それぞれ日本の「政党政治」「資本主義」「植民地」が論じられる。第4章では天皇制が取り上げられ、日本の近代化とは欧州近代の個々の機能を導入し作動させることであったとしたうえで、天皇制が欧州におけるキリスト教に相当する統合原理として憲法に位置づけられ、その道徳的権威が教育勅語によって補われたと論じる。近代日本の天皇制を考えるうえで読み応えのある手がかりを得られる。著者は日本の政治外交史研究の泰斗で、宮内庁参与も務めた。

著者について(同書による)

三谷太一郎(みたに・たいちろう)
1936年岡山市生まれ
1960年東京大学法学部卒業
現在一日本学士院会員、東京大学名誉教授
専攻一日本政治外交史
著書一『増補 日本政党政治の形成』『大正デモクラシー論[第3版]』『増補 政治制度としての陪審制』『ウォール・ストリートと極東』『学問は現実にいかに関わるか』『人は時代といかに向き合うか』『戦後民主主義をどう生きるか』(以上、東京大学出版会)
『近代日本の戦争と政治』(岩波書店)ほか