横田耕一(著)『憲法と天皇制』

書名:憲法と天皇制

著者:横田耕一(よこた・こういち)

出版者:岩波書店(岩波新書 新赤版 129)

出版年月:1990-07

ISBN:978-4-00-430129-5

憲法の中で天皇制をどう位置づけるか

天皇・天皇制(天皇制度)を論じる前提となる憲法制度の中での天皇(天皇制)の位置づけを確認する本。その上で、憲法による位置づけと社会の中での天皇の扱われ方との違いを検証する。初めに憲法規定を確認した後、象徴天皇制の歴史をたどり、社会の受け止めの中に交錯する天皇像を分析する。 天皇の活動とその周辺では、国事行為が生む権威、広範な公的行為の展開、丁重に扱われる地方旅行、天皇の権威を強化するマスメディア、「右翼」によるおどかしなどを取り上げる。そして、それらを、天皇の権威強化が進む状況として批判的に論じる。代替わり儀式、象徴天皇制と人権についてもそれぞれ一章を設けている。明仁天皇(当時皇太子)の結婚(1959年)の後、美智子皇后のミッチーブームが起き、ささやかなマイホームの幸せを人々が皇太子家に重ねる風潮が生じた後、天皇の権威を強調する建国記念の日の施行(1967年)や元号法の制定(1979年)が進められた経緯は、天皇をめぐる現代の状況を考える際に興味深い。

著者について(同書による)

横田耕一(よこた・こういち)1939年高知市に生まれる。1963年国際基督教大学教養学部卒業 1968年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学 現在一九州大学教養部教授 専攻―憲法学 著書―「現代憲法講座 上」(共著、日本評論社) 「国民主権と天皇制」(共著、法律文化社) 「象徴天皇制の構造」(共編著、日本評論社) 訳書―「表現の自由」(共訳、東京大学出版会)

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