書名:陛下、お尋ね申し上げます
副書名:記者会見全記録と人間天皇の軌跡
著者:高橋紘(たかはし・ひろし)
出版者:文藝春秋(文春文庫)
出版年月:1988-03
ISBN:978-4-16-747201-6
記者会見記録から、戦後の「人間天皇」の歩みをたどる
昭和天皇の記者会見記録を中心に、戦後の「人間天皇」の歩みをたどる本である。副書名は「記者会見全記録と人間天皇の軌跡」。戦後から、刊行された昭和末期までの記者会見を収める。話題は、日常のこと、天皇としての活動、皇室の在り方のほか、二・二六事件や戦争終結など戦前のことがらに及ぶ。
戦後の昭和天皇の歩みを、人間天皇の誕生(終戦~昭和23年)、復興の牽引車(昭和24年~27年)、若き皇太子の時代(昭和28年~35年)、高度成長の中の天皇(昭和36年~45年)、皇室外交の展開(昭和46年~55年)、最長寿の天皇(昭和56年~)に区切り、その時期についての著者による天皇、皇室の動きの解説の後、記者会見の記録を載せている。
記者会見での発言からは、表だった活動では見ることのない、昭和天皇の身の回りの様子や、心の内を窺うことができる。著者は、象徴天皇40年の軌跡について、戦後の混乱期には、天皇は極めて人間的にふるまっていたが、国家も国民も経済的に豊かになるに従って、天皇は戦前のような厳しい存在になっていった、と分析する。そうした観点から、昭和天皇と記者とのやりとりを読むこともできる。
著者について(同書による)
高橋紘(たかはし・ひろし)
昭和16年(1941年)、東京生まれ。昭和40年早稲田大学法学部卒業後共同通信社に入り、宮内庁担当記者などを経て現社会部次長。占領史研究会会員。昭和史、皇室に関する著書が多く「現代天皇家の研究」(講談社)、「天皇家の密使たち―秘録占領と皇室」(現代史出版会)、「象徴天皇」(岩波書店)などがある。
著者はその後、静岡福祉大教授となり、2005年の皇室典範に関する有識者会議で意見陳述している。
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