石原信雄(述)/御厨貴(インタビュー・構成)/渡邉昭夫(インタビュー・構成)『首相官邸の決断』

書名:首相官邸の決断

副書名:内閣官房副長官石原信雄の2600日

述者:石原信雄(いしはら・のぶお)

インタビュー・構成:御厨貴(みくりや・たかし)/渡邉昭夫(わたなべ・あきお)

出版者:中央公論新社(中公文庫 わ19-2)

出版年月:2002-06

ISBN:978-4-12-204039-7

代替わりの前後、官邸の動きを語る

竹下登内閣から村山富市内閣まで、七人の首相を内閣官房副長官として支えた石原信雄氏が、官邸の内側の動きを語ったオーラルヒストリーである。消費税やPKO協力法案、米の自由化、ウルグアイラウンドなどの経済交渉、細川内閣、村山内閣の誕生など、個々の政治テーマのほか、首相官邸の日常が明かされる。

皇室関連は、改元と明仁天皇の中国訪問である。代替わりは、官邸にとって最重要の事項だった。「崩御という事態が起これば、これはすべてに優先します」。昭和天皇の大量下血で緊張したものの、その後の111日間で、新しい憲法と先例の踏襲との仕分け作業が十分協議できたと振り返る。訪中での宮内庁の対応については、「積極とか消極ということはありません」「外交的にどうかということについては、一切意見はいいません」と述べる。

皇室の事項は、場合によっては、官邸の重要な課題となる。石原副長官は、前任者の藤森昭一氏が宮内庁長官だったことについて「非常に助かりました」と振り返る。政治と皇室との間で、あうんの呼吸が必要な場面があることをうかがい知ることができる。

著者について(同書による)

石原信雄(いしはら・のぶお)

一九二六(大正十五)年生まれ。五二年東京大学法学部卒業後、地方自治庁採用。市町村税課長、地方債課長、財政課長、財政担当審議官、税務局長、官房長、財政局長を経て、八四年自治事務次官。八六年地方自治情報センター理事長。八七年より九五年まで内閣官房副長官を務める。現在、地方自治研究機構理事長。

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