岡井隆(編著)『現代百人一首』

書名:現代百人一首

編著者:岡井隆(おかい・たかし)

出版者:朝日新聞社

出版年月:1996-05

ISBN:4-02-256858-5

百人の歌で戦後の日本―現代を読みとる

現代の歌人99人に著者を併せた100人による百人一首である。一首を掲げた後、続く文章で、その歌の世界、詠んだ歌人のたたずまいを、著者が描いていく。

詠み手は、釈迢空に始まり、99首目が著者、最後が斎藤茂吉である。収載の歌はすべて戦後に詠まれた作品で、著者はそこに戦後の世の中のありようを読みとっていく。

45首目の詠み手は皇后美智子である。美智子皇后を歌人として取り上げたのは、この本が嚆矢とされる。美智子皇后の歌について著者は、「言葉に緩みがなく、思いに甘えがなく、適度の緊張感をもってうたいきる方式である」と評している。当時、歌壇には皇室への拒否感もあったというが、著者の慧眼のなせるわざであろう。

編著者について(同書による)

岡井隆(おかい・たかし)

1928年、名古屋生まれ。慶応義塾大学医学部卒。内科医。京都精華大学人文学部教授。宮中歌会始選者。「アララギ」を経て「未来」創刊に参画し、現在は同誌編集人。1950年代に花開いた前衛短歌運動の中心的作家として出発し、今日、実作者としても理論家としても短歌の世界を牽引する位置にある。歌集は『斉唱』(1956年)から『神の仕事場』(1994年)まで15冊。『禁忌と好色』(1983年)で過空賞、『親和力』(1989年)で齋藤茂吉短歌文学賞を受賞。『岡井隆全歌集』(1987年)や散文の集成『岡井隆コレクション』(1994~96年)もあり、1995年には同コレクション並びに過去の全業績に対して現代短歌大賞が贈られた。

← トップページに戻る