2005有識者会議の第17回では、何が話し合われたのか

第17回は、報告書を最終確定し、吉川座長から小泉内閣総理大臣へ提出した最終回でした

2005年11月24日、皇室典範に関する有識者会議の第17回会合が開かれました。

この回では、「皇室典範に関する有識者会議報告書」の内容が最終確定され、吉川弘之座長から小泉純一郎内閣総理大臣へ提出されました。

皇室典範に関する有識者会議(第17回)議事要旨

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第14回で、皇位継承資格を皇族女子や女系の皇族に拡大する方向が確認され、第16回で、皇位継承順位は長子優先、皇族の範囲は永世皇族制を基本とする方向で意見が一致していました。

第17回は、その結論を報告書として最終確定し、内閣総理大臣に提出する最終回でした。

報告書は、どのように扱われたのか

第17回では、報告書の内容が最終確定され、座長から内閣総理大臣へ提出されました。

議事要旨は、まず「皇室典範に関する有識者会議報告書」の内容を最終確定したことを記しています。

そのうえで、吉川座長から小泉内閣総理大臣へ報告書が提出されました。

ここで、有識者会議としての作業は一つの到達点を迎えます。

第1回から第17回まで、現行制度の確認、歴史、諸外国制度、識者ヒアリング、論点整理、皇位継承資格、皇位継承順位、皇族の範囲、報告書案の調整が行われてきました。

第17回は、それらを報告書として政府に手渡す回でした。

小泉内閣総理大臣は、何を述べたのか

小泉内閣総理大臣は、報告書を受け、翌年の通常国会に所要の法律案を提出する準備を進める意向を示しました。

第17回では、小泉内閣総理大臣から挨拶がありました。

小泉首相は、委員が皇位継承問題という大事な問題について熱心に議論し、報告をまとめたことに謝意を述べました。

そのうえで、この報告を受けて、政府としては、翌年の通常国会に所要の法律案を提出すべく準備していきたいと述べています。

これは、2005年報告書が、単なる研究会的な整理ではなく、皇室典範改正法案の準備へつながるものとして受け止められていたことを示しています。

懇談では、何が語られたのか

懇談では、報告書を「妥当な結論」と受け止め、法案作成準備に入ること、また報告書を皇室の新しい未来につなげたいという見方が示されました。

報告書提出後、小泉内閣総理大臣、安倍晋三内閣官房長官と委員との間で懇談が行われました。

小泉首相は、妥当な結論をいただいたものと思うと述べました。

また、各方面にいろいろな意見があることは承知しているが、この報告をもとに法案作成準備に入りたいとも述べています。

委員からは、公式会合は17回だが、3回の非公式会合や、個々の委員間・事務方との協議も含めると、かなり精力的な会議であったという発言がありました。

また、この報告書は近世日本の歴史において初めてとなることを提言しているが、やむなくこういう結論になったのではなく、未来の日本の姿に新しい光となるよう役立ててほしいという趣旨の発言もありました。

「容認」ではなく「継承資格の拡大」とは何か

委員からは、報告書の結論を「女性・女系容認」と表現するのではなく、「継承資格の拡大」と捉えるべきだという見方が示されました。

第17回の懇談では、報告書の結論について、女性、女系容認という表現が使われることがあるが、容認ではなく、継承資格の拡大であるという発言がありました。

これは重要です。

「容認」という語は、例外的・消極的に認めるという響きを持ちます。

しかし、委員の発言は、報告書の結論を、やむを得ない例外措置ではなく、重要な役割を担う皇室の新しい未来を開くものとして捉えようとしています。

この点は、第11回で示された、女性天皇・女系天皇を「男系男子維持に万策尽きたからやむを得ず」認めるものではないという整理ともつながります。

象徴天皇制と皇室の努力は、どう位置づけられたのか

第17回では、象徴天皇制の実体は、戦後の皇室の努力によって築かれ、現在の皇室への国民の支持が報告書の基盤になっていると語られました。

懇談では、戦後に象徴天皇の制度となった当初、象徴とは何かが曖昧だったのではないかという見方が示されました。

そして、それを実体あるものにしていったのは、皇室の方々の努力の結果であるとされています。

また、今後の皇室の在り方を考える場合には、現在の皇室が国民の大きな支持を得ていること、それが皇室の基盤であること、それを後世に伝えていくことを考えて、この報告書をまとめたという発言もありました。

ここでは、報告書の結論が、単に制度上の安定性だけから導かれたものではなく、戦後の象徴天皇制の実績と、国民の支持を得てきた現在の皇室像を踏まえたものとして語られています。

安倍内閣官房長官は、何を述べたのか

安倍内閣官房長官は、報告書を、天皇の地位の安定的継承のために意義深いものと述べました。

第17回の最後には、安倍内閣官房長官の挨拶がありました。

安倍官房長官は、委員が熱心に議論し、報告書を取りまとめたことに謝意を述べました。

そのうえで、いただいた報告は、我が国の象徴である天皇の地位の安定的継承のために、大変意義深いものと考えると述べています。

この発言は、後年の政治的展開を知って読むと、やや複雑に見えます。

しかし、第17回議事要旨上は、政府側がこの報告書を、天皇の地位の安定的継承に資するものとして受け取ったことが記録されています。

第17回は、どのような位置にあるのか

第17回は、2005有識者会議の審議結果を政府に提出し、制度改正準備へつなぐための最終回でした。

第17回は、実質的な論点審議の回というより、報告書提出の回です。

ただし、単なる儀礼ではありません。

報告書を最終確定し、内閣総理大臣が翌年の通常国会への法案提出準備を明言し、委員が報告書の意義を語り、官房長官が安定的継承のために意義深いものと受け止めたからです。

つまり、第17回は、有識者会議の内部審議が、政府の法案準備へ移る接続点でした。

まとめるとどうなるか

第17回は、皇室典範に関する有識者会議の最終回でした。

この回では、「皇室典範に関する有識者会議報告書」の内容が最終確定され、吉川座長から小泉内閣総理大臣へ提出されました。

小泉首相は、報告を受けて、翌年の通常国会に所要の法律案を提出すべく準備していきたいと述べました。

懇談では、報告書の結論を「女性・女系容認」ではなく「継承資格の拡大」と捉える見方や、戦後の象徴天皇制を実体あるものにしてきた皇室の努力、現在の皇室への国民の支持を後世に伝えるという考え方が示されました。

安倍官房長官は、報告書を、天皇の地位の安定的継承のために意義深いものと述べました。

第17回は、2005有識者会議の結論を政府へ提出し、皇室典範改正法案の準備へつなぐための最終回だったといえます。

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