2026年6月10日の全体会議では、皇族数確保策に関する「立法府の総意」が決定されたと報じられました。
2026年6月10日、衆参両院の正副議長と各党・各会派による全体会議が開かれ、皇族数確保策に関する「立法府の総意」が決定されたと報じられた。
報道によれば、総意は、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案と、旧宮家系男系男子を養子として皇族にする案を柱としている。
政府には、この総意を受けて、皇室典範改正案を作成し、国会に提出することが求められた。政府は、今国会中(221特別会、2026年7月17日会期末)の皇室典範改正を目指す。
何が柱になったのか
女性皇族(内親王、女王)が婚姻後も皇族の身分を保持する案と、旧宮家系男系男子を養子として皇族にする案の2案である。
女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案は、皇室の歴史に整合的であり、公的活動の継続性の観点から、制度設計に進むべきとされた。
ただし、現行の皇室典範で内親王、女王は婚姻により皇族の身分を離れるとされていることから、皇族の身分を保持するかどうかについて、意向を尊重する配慮をすべきとされた。
旧宮家系男系男子を養子として皇族にする案は、1947年に皇籍を離脱した旧11宮家の男系男子子孫を対象に、制度設計を行うとされた。
ただし、国民の理解を得るため、慎重に制度設計することを求めた。考慮点として、①養子となり得る者の年齢、②養親となり得る者の範囲、③具体的な手続要件、④養子となって皇族となった人は、皇位継承資格を持たないこととする、の4点が列挙されている。
議論の対立点はどうなったか
いずれの案についても、論点は完全に解消されていない。
女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する場合に、その配偶者や子をどのように扱うかについては、総意では触れられなかった。なお検討の余地が残されたと報じられている。
旧宮家系男系男子の養子案に対しては、報道では、立憲民主党は全体会議で賛否を表明しなかった。反対または慎重な姿勢を示していることが伝えられている。
安定的な皇位継承の確保、女性天皇・女系天皇の検討を求める意見も残っている。
何が検討点とされたか
将来的な制度の見直しと、安定的な皇位継承の確保である。
改正法の施行後の状況を踏まえ、必要があれば所要の措置を講じる旨の検討条項を、附則に設けるのが適切とされた。また、必要があれば、適宜適切な措置が講じられるとすることを附帯決議で確認することを、各党・各会派に要請した。
安定的な皇位継承を確保する方策について、引き続き検討することを、附帯決議で確認するよう、各党・各会派に要請した。
なお残る課題
今回の総意決定により、皇族数確保策は、政府による具体的な法案作成の段階へ進むことになった。
しかし、残る課題は小さくない。
女性皇族の配偶者や子の身分をどう扱うのか。
旧宮家系男系男子の養子案を、どのような要件と手続で制度化するのか。
今回の皇族数確保策と切り離して、安定的な皇位継承の検討をどう進めるのか。
6月10日の総意決定は、議論の終点ではなく、皇室典範改正案の作成と国会審議へ向かう入口であり、今後の議論の一つの通過点といえる。