第15回は、報告書案を議論しながら、皇位継承順位と皇族の範囲について意見を集約した回でした
2005年11月7日、皇室典範に関する有識者会議の第15回会合が開かれました。
この回では、報告書案の議論をしつつ、皇位継承順位と皇族の範囲について意見の集約が行われました。
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第14回では、皇位継承資格を皇族女子や女系の皇族に拡大する方向を基本に、報告書を取りまとめることで意見が一致していました。
ただし、皇位継承順位については長子優先か兄弟姉妹間男子優先か、皇族の範囲については永世皇族制か世数限定制かが、なお報告書案の議論の中で集約すべき論点として残されていました。
第15回は、その残された論点を報告書案の中で詰める回だったといえます。
議事要旨は、どのように記しているのか
第15回議事要旨は、報告書案の議論と、皇位継承順位・皇族の範囲の意見集約が行われたことだけを簡潔に記しています。
第15回議事要旨は、これまでの回と比べて非常に短いものです。
議事概要として記されているのは、主に二点です。
第一に、報告書案の議論をしつつ、皇位継承順位および皇族の範囲について意見の集約を行ったことです。
第二に、次回の日程は事務局において調整することになったことです。
具体的にどの委員がどのような意見を述べたのか、長子優先と兄弟姉妹間男子優先のどちらにどのような理由が示されたのか、永世皇族制と世数限定制についてどのように集約されたのかは、この議事要旨だけからは分かりません。
そのため、第15回を読むときは、議事要旨そのものの記述だけでなく、第14回までの議論と、最終的な報告書の内容をあわせて確認する必要があります。
皇位継承順位では、何が残されていたのか
皇位継承順位では、女性天皇・女系天皇を可能にする場合に、長子優先とするのか、兄弟姉妹間男子優先とするのかが残された論点でした。
第12回では、皇位継承順位について、長子優先、兄弟姉妹間男子優先、男子優先、男系男子優先などが比較されました。
その中で重視されたのは、皇位継承順位が一義的に決まること、次の天皇となる方が早く確定すること、親子の順位逆転や即位による順位変動を避けることでした。
長子優先は、後から男子が生まれても順位が変わらず、予測可能性と安定性に優れています。
一方、兄弟姉妹間男子優先は、直系を基本としながら、同じ兄弟姉妹の中では男子を優先するため、伝統との関係を一定程度考慮する案として位置づけられます。
第14回では、この長子優先か兄弟姉妹間男子優先かについて、報告書案の議論の中で意見を集約することになっていました。
したがって、第15回でいう「皇位継承順位について意見の集約を行った」とは、この論点を報告書案にどう書き込むかを詰めたことを意味すると考えられます。
皇族の範囲では、何が残されていたのか
皇族の範囲では、永世皇族制を維持して皇籍離脱制度で調整するのか、世数限定制を採るのかが残された論点でした。
第13回では、皇族の範囲および関連制度が議論されました。
男系男子を維持する場合には、現行の永世皇族制と皇籍離脱制度による調整を維持することでよいという点で意見が一致しました。
また、女性天皇・女系天皇を可能にする場合には、内親王・女王を親王・王と同様に扱うよう、関連制度を改正する必要があることでも意見が一致しました。
しかし、皇族の範囲をどう調整するかについては、永世皇族制か世数限定制かという点がなお残されていました。
永世皇族制は、出生の動向に応じて皇籍離脱制度で弾力的に調整できる一方、将来の見通しや基準の明確性に課題があります。
世数限定制は、皇族の範囲が明確になりますが、出生数によっては皇族数が少なくなりすぎ、皇位継承が不安定になるおそれがあります。
第15回では、この論点についても、報告書案の中で意見集約が行われたと考えられます。
第15回は、どのような位置にあるのか
第15回は、個別論点の自由な意見交換から、最終報告書の文章へ移るための編集・集約の回でした。
第11回から第13回までは、皇位継承資格、皇位継承順位、皇族の範囲という主要論点について、それぞれ意見交換が行われました。
第14回では、それらを踏まえて、皇位継承資格を皇族女子や女系の皇族に拡大する方向を基本にすることが確認されました。
そして第15回では、報告書案を議論しながら、まだ残っていた皇位継承順位と皇族の範囲について意見が集約されました。
つまり、第15回は、論点を新しく広げる回ではありません。
これまでの議論を、最終報告書の構成と文言にまとめていく段階に入った回です。
そのため、議事要旨は短いものの、会議全体の流れの中では重要な節目に当たります。
まとめるとどうなるか
第15回は、報告書案を議論しながら、皇位継承順位と皇族の範囲について意見の集約を行った回でした。
議事要旨は非常に短く、具体的な意見内容は記されていません。
しかし、第14回までの流れから見ると、この回で集約されたのは、皇位継承順位については長子優先か兄弟姉妹間男子優先か、皇族の範囲については永世皇族制か世数限定制かという、報告書に残された主要な論点だったと考えられます。
第15回は、皇位継承資格を女性・女系に拡大するという基本方向を前提に、その制度をどのような順位ルールと皇族範囲のもとで実現するかを、報告書案の中で詰めた回でした。
次回の日程は、事務局において調整することになりました。
